兵庫県淡路島西海岸では、金融系やIT系の企業(団体)の社内研修などにおすすめの研修プログラムをご用意しています。淡路島ならではの自然や農を活かしたユニークなフィールドワーク研修など、ここでしか学べない内容を、お客様の課題やニーズに合わせて、アレンジしてご提案させていただきます。今回は、株式会社商工組合中央金庫(商工中金)様にご利用いただいた事例と共にご紹介します。
兵庫県淡路島は、都市部から近場で、豊かな自然のあるリゾートアイランドとして観光客に多くお越しいただく人気の観光地ですが、近年、企業や各種団体、自治体、行政機関などが研修を目的にお越しいただき、淡路島でしか体験できない研修や視察を実施するケースが増えてきています。
なぜ今、淡路島で企業や様々な団体がオフィスを飛び出して研修を実施するのでしょうか。
それは、日々の業務とは全く違う、海や山に囲まれた環境や農を通じた体験が、新たな視点や気づきを生み出し、自身のキャリアや組織のあり方を問い直す機会として、非常に有意義であると実感頂いている為だと考えられます。
SDGsや地球温暖化、食料安全保障など、社会課題としては理解していても、それらが今後の自社事業や社員のキャリアとの繋がりを感じづらい方も少なくないのではないでしょうか。
本研修は、自然や農を通じて「循環」や「多様性」の意味を言葉ではなく“体感”として落とし込み、社会課題と自らの事業やキャリアとのつながる機会を提供します。
株式会社商工組合中央金庫(商工中金)様の企業研修で体感型SDGs研修を体験いただきました。
ー目次ー
1.株式会社商工組合中央金庫様の企業研修で体感型SDGs研修を体験いただきました
2.商工中金様が体験いただいた体感型SDGs研修の流れをご紹介します
3.今人的資本の充実を図る企業内大学「人づくりカレッジ(ヒト☆カレ)」で活用いただきました
4.金融機関等の組織が抱える人事の課題を協働型で解決する体感型SDGs研修がおすすめ
6.研修の前後の日程は淡路島西海岸施設でランチや買い物などを満喫!
2024年11月に株式会社商工組合中央金庫様(以下、商工中金様)の社員22名に、企業研修として淡路島にお越しいただきました。
今回で2回目となる本研修は、役職や年次に関わらず「手挙げ参加」で社内募集し、全国から応募が殺到した倍率の高い研修で、抽選で選ばれた方々による能動的で深い対話を繰り返していた様子が印象的でした。
アタリマエを問い直すことで日常に捉われない新しい“視点”や“問い”を提供するために、座学だけではなく、体感型の研修プログラムを提供しているタネノチカラの体感型SDGs研修。淡路島内のレストランや宿泊施設を利用しながら、二日間にわたって研修が行われました。
1日目
■チェックイン
初めに、自然に囲まれたフィールドで3分間の散歩をしていただきました。
3分間言葉を交わさずに過ごす時間が、日常の時間の使い方や流れとの違いを実感する導入となります。社内でも初めて会うメンバーとの研修のため、自己紹介は少し緊張感のある中でのスタートとなりました。
■セミナー
次に、講師の金子によるセミナーを行います。セミナーでは、アタリマエを問い直すことで生まれてくる問題や課題を参加者と共有します。世界規模の気候変動や土の課題、日本国内で考えられる食と健康についての3つのテーマに関し、アタリマエに知っている知識や情報を別の角度から捉え直し、答えのない問いを提供します。日常の業務ではなかなか考える機会のない、私たちの生活や環境を支える根源的な課題について、考える時間となりました。
■ランチ:農家レストラン陽・燦燦(はる・さんさん)
研修フィールドに位置する農家レストラン陽・燦燦で淡路島の地産地消をテーマに淡路野菜を中心とした昼食を召し上がっていただきました。
■フィールドツアー
フィールドの各ポイントで農や自然の循環・多様性の営みをメタファーとして、現状の組織や社会の仕組みについて考える問いを提供します。雑草や虫、石など、普段気にもとめない存在から、私たちの生活とのつながりを考えます。
問いの見つけ方や視点の変え方、行動変容の重要性を感じていただき、普段意識しない環境変化を感じて頂きました。
■グラデーションワーク
抽象的な概念を2つ提示し、自分の価値観に沿う方を強弱含めて選択してもらうグラデーションワーク。おなじ言葉であってもそれぞれの価値観や、言葉を使う場面が異なることにより、相互理解の難しさを体感します。まずは違いを理解することで、言葉の定義を合わせることや、相手の立場になって物事を考えることの重要性を学びます。
■焚火ワークから振り返りへ
相互理解の姿勢を学んだ上で、チームビルディングとして火おこしをして焚火をします。経験したことのないことを、知らない人と一緒に取り組むことでチームワークを養います。
そしてチームで創った焚火を利用してお湯を沸かし、コーヒーをいれ、焚火を囲みながら、1日目の研修を振り返ります。
焚火を囲み、コーヒーを飲みながらのアウトドアフィールドでの振り返りは、自然と話しやすい深い対話ができる空間となります。
2日目
■アンラーニングウォーク
私たちにとってサスティナブルとはどのような状態なのか。“持続可能な”という言葉を使うとき、具体的にどれくらいの長さで考えているのか。地球46億年を4.6キロメートルという距離に置き換えた時、現代社会ができるまでどのような形で地球は変化し、生命が生まれてきたのか。
実際に4.6キロメートルを歩きながら地球の歴史を振り返り、自分が持つ時間軸と世界の捉え方をリセットします。受講生からは「自分基軸で何かを考える、社会基軸で何かを考えるに加えて、地球基軸で何かを考えることは価値感や枠組みを壊すきっかけになった。」「今を生きることの大事さ、未来に向かってひとつひとつ積み上げていくことの大事さを改めて感じました。」など様々な感想がありました。
■ディベート
この時間は、あるテーマに関して、勝ち負けではないディベートを行うことで、違う考え方や価値観をもつ人とどのように分かりあい、変化を創り出していくかを考えていきます。一方の視点だけでなく、他者の視点に立って考えようとすること、また同じ立場にいても持っている理由は違うと知る事、そのうえでどんなこれからがいいのだろうと“考え続ける”ことの大切さを実感します。
議論する中で、異なる視点からの意見を見ようとする際、過去と今と未来を繋げて考えることで、振り返り、分析し、予測し、また今の自分の状態を振り返る。そして、他者の意見が新たな視点となり、自分の思考やその場の議論をさらに深めていくことにつながる体験をします。
■行動10カ年計画
ここまでの研修では、現状どんな問題や課題があるのか、そして現状に至るまでの過去からの変化について体感をしました。ここからはそれぞれが、これまでの学びからどう未来を変えていく行動変容につなげるかを考えます。
10年後の自分や社会の変化を想像し、さらにその変化を創り出していくために自分には何ができるかを考えるワークです。受講生からは「5年後、10年後のことを考えながら過ごすことが今の行動を変えることになると気付きました。」との声があがりました。
■振り返り
最後に、この2日間を通しての感想を共有してもらいました。
「人生の中でも衝撃が大きい、かつ私の人生観にも影響を与えるほどの内容だったなと思います。」
「これからの社員に求められることの本質的な部分は、今回のような知って、体験して、考えながらコミュニケーションを図るという要素が必要だと感じました。」
「体験でワークする意義が非常に高く、受講生全体の目や取組み姿勢も素晴らしかったと思います。」
などの声が上がりました。
今回の研修を通して、人的資本の充実を図るためには業務や業界知識とともに、ヒューマンスキルの向上としてのフィールドワークの重要性を感じることができました。
研修を通じたキーワードは、「変化」。
そして、淡路島フィールドスタディで求めたゴールは「変化を捉え、更なる変化を生み出していく人材育成」です。
商工中金様は、「企業の未来を支えていく。日本を変化に強くする。」というパーパスを掲げています。激動に変化していく社会の中で、変化に強い日本社会をつくっていく為は、今起きている変化を点ではなく、時間軸や空間軸・環境軸など様々な角度から捉える必要があります。その中で個人・組織の役割を柔軟に変化させながら、新たな価値(変化)を生み出していく人材が必要です。
そのような人材を、淡路島での研修はどのように設計し、実践していくのか?
本研修は、「あたりまえを問い直す」ことを目的にしており、今ある知識や事例をお伝えするものではありません。今、認知していることを別の角度から見てみる、もしくは意識していないことに目を向けてみるきっかけを提供します。新しいものの見方や考え方の気づきを与えることで日常の業務や生活でも、変化に気づき、変化を与えられる視点を提供します。
言葉としては理解している“循環”や“多様性”、“サスティナブル”などのキーワードから、知識ではなく、知恵として実感してもらうことで、身の回りの変化や違いを捉える力を醸成します。
研修を通じて、参加者自身においても様々な変化が生まれましたが、特筆すべきは、研修前までは漠然としていた未来を、“自分の未来”として捉え、前向きに考え続けていこうという意志(変化)が生まれたことです。参加者自身が、日本の社会の変化に寄与する一員であることを実感し、大きな自信を深めていただくことができたと感じています。
本研修では、2025年1月に振り返りを設定し、時間の経過に伴う参加者の心身の変化を共有する機会となります。
情報過多な社会やVUCA時代といわれる現代社会に対応していく為には、固定された制度や組織ではなく、常に目の前の状況を捉え直し、変化に柔軟に適応していく人材が求められており、長年続く金融機関や変化の激しいIT業界等も変革を迫られています。
一方で、人的資本経営やESG投資などの背景から、リカレント教育等の必要性が注目されていますが、専門的な業務を行ってきた職種の方々が、また0から新たなスキルを習得していく事は、組織としても個人としても非常にコストがかかります。
タネノチカラ体感型SDGs研修は、生活の基盤である自然や農をメタファーとして、事業やキャリアの本質を問い直すことで、自社事業や自らのキャリアの価値を再発見し、参加者それぞれが主体的に探求していく姿勢を醸成していく機会を提供します。
“何も起きない”を想定した未来ではなく、“何が起きても”を想定した未来を描くことができる人材を育てる研修がタネノチカラ体感型SDGs研修です。